ナトム工法【NATM】弱点や欠点とは?この工法を導入していた博多駅の市営地下鉄七隈線延伸工事でトンネル事故が発生しました。
11月8日に起きた今回の事故を受けて、ナトム工法【NATM】弱点や欠点を見ていきたいと思います。
ナトム工法【NATM】弱点・欠点とは?
まず、ナトム工法【NATM】とは?を知る必要がありますね。
新オーストリアトンネル工法(しんオーストリアトンネルこうほう、New Austrian Tunneling Method, NATM(ナトム))は、主に山岳部におけるトンネル工法のひとつ。
掘削した部分を素早く吹き付けコンクリートで固め、ロックボルト(岩盤とコンクリートとを固定する特殊なボルト)を岩盤奥深くにまで打ち込むことにより、地山自体の保持力を利用してトンネルを保持する理論および実際の工法である。
NATMは長大山岳トンネルが多数建設されているオーストリアにおいて、1960年代に同国のトンネル技術者である、ラディスラウス・フォン・ラブセビッツ、レオポルド・ミュラー、フランツ・パッヒャーの3人により提唱された。
日本では準大手ゼネコンの一つ、熊谷組によって導入され1970年代から施工されるようになった。当初は固い岩盤を持つ山岳でのトンネル施工にもっぱら用いられていたが、現在では多種の関連工法と併せて軟弱地盤や都市部においても用いられるようになっている。
もともとはオーストリアから導入され山岳部におけるトンネル工法だったものが、最近では軟弱地盤や都市部においても用いられるようになったトンネル工事の工法です。
1960年代、1970年代頃から使われている歴史のある工法ですが、今回の七隈線延伸工事の博多駅(仮称)工区に採用されたということは、信頼性の高い方法だと考えられます。
日本では、
昭和60年代前 矢板工法
昭和60年代後 ナトム工法【NATM】
が主に使われているようです。
⇒大成建設が手抜き?地下鉄七隈線延伸工事で陥没事故!ナトム工法とは?
では、なぜ事故が起こってしまったのでしょうか?
ナトム工法【NATM】は歴史も実績もあり、とても優れた広報ですが、一方で弱点や欠点もあるようです。全地連「技術フォーラム2015」名古屋の資料によると、
・横断目地部のうき、豆板、補修材のうきが発生しやすい
・空洞や水の侵入を完全に防ぐことができない
大きく分けると以上の2点の弱点・欠点があるようです。
おそらく完全完璧な工法というのは、今後も考えられるとは思いませんが、現在のところ最先端で信頼の高いナトム工法【NATM】にも弱点や欠点はあるということですね。
そもそも都市部の軟弱な地盤にトンネルを掘る行為自体が間違っているのかもしれませんね・・。
⇒JR博多駅の道路陥没の復旧期間は?地下鉄七隈線の工事期間や延伸経路は?
⇒福岡駅前で道路が陥没した理由は?原因は市営地下鉄七隈線延伸工事か?【画像】
ナトム工法【NATM】地下鉄七隈線延伸工事でトンネル事故
2015年から市営地下鉄七隈線延伸工事は行われていますが、工区を「博多駅(仮称)工区」「中間駅(仮称)西工区」「中間駅(仮称)東工区」3つに分けています。
それぞれの工区の契約請負会社はこちらからどうぞ!
⇒博多駅地下鉄七隈線の契約建設会社は?今後の対応や損害賠償金額は?
「博多駅(仮称)工区」は、ナトム工法【NATM】、「中間駅(仮称)西工区」「中間駅(仮称)東工区」はシールド工法で工事をしています。
一番重要な「博多駅(仮称)工区」をナトム工法【NATM】で施工していたわけですが、道路陥没事故は起きてしまいました。
やはり完璧・完全ということはないんですね・・。
さいごに
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ナトム工法【NATM】弱点・欠点とは?について調べてみましたがどうでしたか?
人間のやることなので、やはり完全完璧なものなどありません。今回の博多駅、地下鉄七隈線延伸工事で起こったトンネル事故も起こるべくして起こったのかもしれません。
この事故から学ぶべきは、日本にあると言われる1万個以上のトンネルについて、しっかりと点検やメンテナンスをする必要があるのではないか?ということを感じました。
今後も、ナトム工法【NATM】弱点・欠点について新しい情報が出てきたら追記していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
⇒博多駅前のコンビニ・セブンイレブン【画像】は大丈夫?水が道路陥没の予兆?